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目的は利他的、されど体裁は利己的。矛盾。くそ。

第12回:企業の外部環境や業界形態を理解するためのフレームワークの紹介

今日は財務諸表分析・バリュエーション編の第一回ということで、まずは外部環境や業界の特性を理解するにあたって活用できるいくつかのフレームワークについて紹介する。

 

主にフレームワークとしては3つ

1.Value Chain Model

2.Five Forces Model

3.Economic Attributes Framework

 

ビジュアル的とあわせて解説していきます

 

1.Value Chain Model

 

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バリューチェーンモデルは正直これといった普遍的な枠組みはないので、エッセンスだけおさえてその都度いろいろな業界に対して応用していくものである。

 

エッセンスは

 

企業の0から1までの過程を細かく段階的に分けて考察することによってその都度どの段階でどのような価値が生まれるかを考察できる。

 

このようにすることで企業や業界の特性をより詳細に捉え、さらには比較などを通じて業界・企業固有の部分がみえてくるはずである。

 

 

 

 2.Five Forces Model

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かの有名なマイケル・ポーターさんの Five Forces Analysis について。ポーターさんによると企業の競争率と収益性は5つの”力”によって決まるのである。うち、3つは既存と新規企業間での水平的な競争に関わるものであり、残り2つは先ほど言及したバリューチェーンを通じてみられる垂直的な競争である。色分けをした上でこれら5つの”力”を紹介すると、

 

1.既存企業同士の競争

そのまま1。既存企業同士の競争について。キーワードは数と業界の企業数はどれくらいあるのか?業界における企業のマーケットシェアはどのようになっているか?それによって業界としてもどの段階にあるかを考察することができる。

 

2.新規参入障壁

そのまま2。どれくらい新規事業者が参入しやすいか。商品・サービスの技術レベル、特許、市場に入るための規制などが考慮される。

 

3.代替製品の出現可能性

そのまま3。企業の提供する商品・サービスについてそれが他の製品によって代替される可能性はあるか?その商品・サービスがどのように差別化を図っているによっても変わってくる(価格競争なのか異質性によるプライスリーダーが存在するものなのかなど)。また企業の位置する業界のみならず他業界における代替性はあるのかなど。

 

4.需要側の価格交渉力 / 5.供給側の価格交渉力

企業がその業界においてプライステイカーかプライスメーカーかどうか。つまり需要と供給のバランスから価格交渉力がどこにあるかの問題。また価格交渉力もそうだが、価格の弾力性そのものも議論の対象となる。4と5はどちらも本質的には同じことで、要は立場の違い。

 

3.Economic Attributes Framework

 

一番聞きなれないものだし、わかりづらいが、まとめると経済学的な観点から考察である。そして経済学的な観点から考察するものとして需要、供給、製造、販促、投資活動の5つを挙げている。

 

 1.需要

需要に関する細かい考察。需要の価格弾力性はどのようになっているか?需要の変化するスピード(成長スピード)はどれくらいか?ビジネスサイクルや季節性とともに変動するかなど。

 

2.供給

商品が価格戦略をとるようなものか、それとも商品差別化戦略をとるものなのか?新規参入は容易なのか?などの供給形態

 

3.製造

製造は労働集約的なのか、資本集約的なのか?製造過程は複雑なのか?といった製品の特性とバリューチェーンについて。

 

4.販促

いわゆる4P(price, product, promotion, place)にフォーカスした分析。あとは需要の形態によって販促が能動的に行われるべきか、おのずと広がりを期待できる受動的なものかなど。

 

5.投資・財務活動

投資活動については資産の質について。それが短期的なのか、長期的なのか。期間とは別に流動性の高いものなのか?割合などについても。

 

 

 正直いまのところは数あるフレームワークの中からなぜこれらを取り上げたかはいまいちピンとこないが、実際の分析をこれらに基づいて行ったのちにもう一度同じ質問を自分に聞いてみたいと思う。