メモ3:3Dプリンターの実情
3Dプリンターについて東工大で建築学を専攻してる友人に話を聞いたんで、忘れないうちにメモ。
限界費用ゼロ社会でも紹介したように、今後は生産のあり方を革新する可能性のあるとされた3Dプリンター。材料的な汎用性の拡大はもちろんのこと、サイズの拡大化にも成功すれば建築のありかたまで変えてしまうとのこと。
本当にそうなのか?
実際の現場の声を聞いてみるのが一番早い。
まず材料について。
てっきり今の3Dプリンターは鉄骨とか木材みたいな材料も使えるのかなぁと思ってたけど、話を聞いてるとどうやら違うらしい。材料は合成樹脂などに限定されているらしい。
なんでそうなるのか?
鉄などについては考えれば分かることだが、additional 方式で鋳造していく3Dプリンターだが、鉄に流動性を持たせるためには1000度近くまで温度をあげないといけない。プリンターの局所的な部分でそこだけその温度まで上げて再び下げるといった温度調整技術は無論ない。また、木材についてもこれは詳しく調べないといけないが、繊維質の素材は3Dプリンターには応用ができないらしい。
つまり上述したビジョンが実現するためにはまだ
1.温度調整や素材適応など3Dプリンターそのものの特性の向上
2.鉄や木材に代わる新材料の発見
のいずれかが起こった上でそれを規模上、拡大していかなければならない。
もしこれらが実現されれば文字通り建築などのありかたを根本的に変えてしまうような革命だという。
ちなみに補足としてなぜ既存の合成樹脂などで建築物は建てられないかの話
一言でいえば
材料の強度を定量的に捉えるのが難しい
詳しく言うと、木材とか鉄骨は加えてた力をなくしても物質の形が元に戻る弾性変化と力をなくしても戻らない塑性変化のポイントがハッキリしてるから計算用の数値も確定値なんだけど、ゴムとかの樹脂は物質上、弾性変化と塑性変化の境目がよくわかってない。ゆえに計算プログラムとして表現するのは難しいということ。
なるほどなぁと思いつつトリキでピーチウーロンをすする飲み会でした
これからはいろんな専門の人のいろいろな話を聞いてみたい
ありがとうございました