吉野家とマックをこよなく愛する外資金融マンwww

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特別回③:企業の倒産モデル;Altman Z-Score

今回は興味をもってくれた人たちのためにAltman Z-Scoreについて掘り下げていきます。

 

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もうこのおじさんがだれか話す必要はないですよね。マニアな読者(あと自分)のために書かせてもらうとフルネームはどうやらEdward I. Altman。詳しくはここではなくWikiさんに聞いてください。

 

 

早速本題のAltman Z- Scoreについて書くと、まとめはこんな感じ

”Z-Scoreという数字を複数の金融指標(比率)を変数として取り込んだモデルから導いて、そのZ-Scoreによって企業の倒産確率を検証する”

 

実際の定式化を紹介すると次のようになる。

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この公式によって算出されるZ-Scoreによって企業の倒産確率が評価される。評価基準は以下のとおり。

Z<1.81→倒産確率高

1.81<Z<3.00→グレーゾーン

Z>3.00→倒産確率低

 

より正確な値について議論すると、Zスコアの観測値の分布を正規分布に近似できると仮定するとZ=3.00は有意水準2.75%のところに該当する。正規分布の性質や統計学の特性については別の回を参考にしてもらえばと思います。

 

もうすでにおなじみの指標ではあるが指標の意味合いもこめて復習すると、

 

Net Working Capital / Total Assets

運転資本の全資産に占める割合だが、ここのポイントは

ここでworking capitalとは主にnet 流動資産を指しており、どれくらい資産に流動性があるかという短期リスクである。ネット流動資産の割合が高ければ高いほど企業は倒産しづらいということ。

 

Retaining Earnings / Total Assets

retained earnings とは内部留保、つまり獲得された利益のうち、企業の内部に貯蓄される部分と全資産の割合を示していて、ここのポイントは

貯蓄された利益と資産の割合であり、利益の指標。内部留保が大きければ大きいほど倒産しづらいということ。

 

EBIT / Total Assets

EBIT (earnings before interest and tax)と全資産の割合だが、これも利益の割合。ここでのポイントは

retaining earningsと違って累積ではなく、現在の利益という意味で異なる。高ければ高いほど倒産しづらい。

 

Market Value of Equity / Total Liabilities

利益の市場価値と全負債の割合だが、debt to equity ratio(つまりdebt ratio)の一種。ポイントとしてはつまり、

今度は長期のリスク指標であり、市場の包括的な企業のリスク。利益率評価である。高ければ高いほど倒産しづらい。

 

Sales / Total Assets

以前紹介したAsset Turnover ratioの派出させたもの。つまりポイントとしては

回転率を示す指標。当然高ければ高いほど倒産しづらい。

 

 

まとめると、Z-Scoreを構成する要素としては大きくは利益率とリスク、それぞれ分解して利益率は現在と累積のものに、そしてリスクは短期・長期にわけてモデルの変数を構成する

 

 

もう一つ注釈をいれると、このモデルの定式は。。。

 

駆け足の紹介となったがエッセンスを掴んでもらえたらと思います。