メモ2:懐疑主義論にまつわる話
いまブラックスワンを読んでて、その過程でいくつか調べ物したから忘れないうちにメモ
この本の一つの中心的な概念の一つとなる懐疑主義論と因果関係の解釈について。哲学の潮流の中でこれらについて議論した重要な人物としてヒュームがいる。
ヒュームは人間本性論において人がどのように世界を認識しているかという認証論からはじめる。
その中で心に表れるモノ全てをさす知覚を印象と観念に2分し、すべての観念が印象から生まれるとした。そしてこれらの観念が結合することによって知識が生まれるとした。
この結合には自然的関係のものと哲学的関係のものの2種類があるとした。前者はsimilarity, contiguity, causalityの3つ、後者は質/量・類似/反対および同一性/因果に分けた。
ヒュームはこの因果関係について一つ重大な見解を述べている。
ヒュームによると因果関係とはあくまでも人間が勝手に経験に基づいて習慣的に築き上げたものであり、決して過去・現在・未来を必然的に説明しうるものではないと述べている。それまで無条件に信頼されていた因果律には心理的な習慣という基盤が存在することは認められていたが、それが必ずしも正しいものであると論証できないとしたのはヒューム固有の考えであり、後に懐疑主義として評価されるようになった