特別回⑨:社会システムとしてのIoT
ちゃんと勉強したことないし、どうせ理解しないといけないだろうシリーズ第二弾としてIoTを今回は取り上げます。
正直の感想としては、なんとなくIoTについて聞いたけど、そのポテンシャルについては個人的には完全に過小評価していたって感じ。
ちなみにIoTについてはこの本が良かったです。
専門的な立場からIoTについて論じていてちょっと人より分かった気にさせてくれた。
初心者の僕としてはIoTを整理するポイントは以下3点
1.IoTとは何か?
2.IoTが世の中にどのような影響を与えるか
3.今後のIoTの注目ポイント
最初の1と2をあわせて。
本の題名どおり、そして字面どおりIoTはInternet of Things、モノのインターネット。しかし圧倒的になめてました。
最初の印象としては
“あぁIoTね。モノに全部センサーつけて、そのセンサーのデータを集めて分析してより効率よくモノを使ったり、生産ラインを効率よくしたりみたいなやつね”
間違ってはいないけど、いろいろ大切なものが抜けてた。
まずIoTの特性とインパクトをより深く理解するためには2つのキーワードがある気がした。そのキーワードとは
統合とオープン性
まず統合について
統合というのはまさしくセンサーやチップによって“組み込まれた”1つ1つのモノが集積した1つのシステムを作り、それまで不可能だった高度な機能を生み出すIoTの核心的な機能をさす。
このことによって個々のモノはそれほど複雑な機能を持ち合わせる必要がなくなる。カメラなら画像をとるといったように、一つ一つのモノの果たす役割がデータとしてクラウドに集積し、こうした様々なモノからの様々な種類のデータが集積したクラウド上で現実世界の状態を知ることができる。そしてこの現実世界を知った上でそのデータを分析してより効率的な管理やそれに基づく予測を行うことができる。
ちょうどインターネットを使って自分のわからないことを調べて知ることができるように、リアルタイムでいろんなモノの必要なデータを引っ張ってきて目的に応じて使えるということ。
要約すると
システムに組み込まれた個々のモノがいわゆる手足となって世の中というシステム全体の状況を把握し、それらがスマートフォンなどを媒介して人間と対話を図り、そのフィードバックを受けて最適制御をする。それを世界中でしかもリアルタイムであまねく結ぶ。
こんなとこでしょうか。
次にオープン性について。
オープン性とはインフラのオープンさである。オープンとはオープンソース、オープンデータ、オープンアークテクチャー、オープンAPIのように様々に使われているが、基本概念は同じである。
その基本概念とは
“特定の主体がシステム全体の責任をもって機能を保証するギャランティー体制のものではなく、全体に対しての責任は取れないがいくつかのルールのもとで誰でも参加し、”最善の努力“に基づいて好きなように利用できる”
インターネットやインターネット上にあるWikipediaなどまさしくこの典型例である。みんなで既存のものをより良いものにしたり、元のソースを参照して新たなものを生み出す。
これがオープン性の哲学である。
このようにすることによってギャランティー制のもとでは難しいプラットフォームの普及、個別目的への応用などが可能となり、これはサービスの提供側にとってもコスト削減などの利点がある。
従来トヨタにみられたカンバン・システムなどもある意味IoTの1つの形である。しかし現在社会的変革といわれるまでにもなったIoTとの決定的違いはこの“オープン性”というものが加わったかにある。
このオープン性が加わったことによってIoTは一つの系列に閉じこもった“企業固有の制度”から“社会全体の効率化を図る枠組み”へとなったのである。
最後に月並みだけど、今後のIoTの注目ポイントについて
今後の一番の注目ポイントとしては、すでに何度も紹介している“オープン”なシステムへの移行プロセスである。移行プロセスにおいては収集するデータに関するプライバシー問題、APIなど企業固有であることが多いものいついてはオープン化するためのガバナンス(日本は特にこれが弱い)、あとは状況認識の際の場所の定義などオープン化に伴って必要とする新たな概念の定義、さらにはIoTが普及した社会における法整備など課題は盛りだくさんである。
この辺は個々に議論するとものすごく多岐の分野にわかる知識が必要だし、今の自分が議論してもしょうもないことしか言えない気がするし、そもそも答えとかなさそうな感じだから書かないことにします。もちろん議論はいつでもするし、話も聞きます。