メモ1:CDOの証券化マジック
ちょっとCDOについて読んだから忘れないうちにメモ
サブプライム問題が起きたときに話題になったCDO。なぜ今にも倒産しそうなBBBレートのモーゲージ債を人々は購入したのか。
それはBBBレートのモーゲージ債がAAAレートのCDOへと変身したから
じゃあどのように変身したのか?
一言でいえば
モーゲージプールにかき集めた債権の相関性をうまく操作することによってリスクを分散した
第一回の記事でも軽く触れたようにサブプライム危機の際はBBBレートのモーゲージ債が一つのプールにSIV(特別機関)によって新しいCDOとして生み出された。
ここで実例を交えて分かりやすく解説する。
BBBレートのモーゲージ債を100個プールに集めたとしよう。もともとこれらは個々にはBBBレートをつけられている劣後債である。しかし、今回はこれらのBBBレートを集めたプールを証券化して新しい商品を生み出している。そこで再びレーティングが起きる。
ここのレーティングにおいて主の焦点が次のようなものとなる(←後に書くポートフォリオによるリスク分散を参照)
組み合わされた各BBBレートのモーゲージ債が互いにどのような相関rをもっているか
極端な例
r=1→完全相関だから一つのBBBレート債がデフォルトしたら、他のものも全てデフォルトする(レートはBBBのまま)
r=0→各々のBBBレート債は互いのデフォルトに対して完全にランダムである(リスク低下によりレートが上がっていく)
つまり数%の劣後部分による信用補完(支払の優先順位の付与)を行うことによって一部のトランシェ(劣後債)がAAAレートのものへと変身する
さらなる詳細はまた議論するので別の回に。